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  • 執筆者の写真momokei

Sprouting rabbit について


とある春、わたしは初めて「うさぎの絵を描いてくれる?」とご依頼をいただきました。


ご依頼主は知人でした。その少し前にお宅にお邪魔してお茶などいただいたのですが、フレンチシックな布や柄がお好みで、ハイセンスな暮らしをされていました。


うさぎの絵に関して、特に細かい指定はありませんでした。

季節に合うかわいらしい子をお贈りしようと考えましたが、わたしはただモチーフをそのままに描くことには、やり甲斐を感じなくなっていました。そこで、春のイメージをもとに、存在しない色合いのうさぎを - ファンタジーをもった作品に仕上げました。


現在この子は、このかたの寝室に飾られています。


思えば当時は、わたしもこのかたも「初めてアートのオーダーをすること」に戸惑っていました。わたしは尊敬する画家先生にご意見を伺ったり調査を行いながら、アーティストとして最初のステージを慎重に踏み出しました。


ご依頼主は、わたしが提示させていただいた価格に対してびっくりされながらも、


「あなたが決めたことなのだから、それで良いですよ」


とご快諾くださいました。


この言葉は、思いがけなくわたしにギフトをくれました。

それは、「常に、この作品以上のものを生み出さなければならない」という、アーティストとしての覚悟です。


今でも絵を楽しんでくださっているこのかたのことを時々思い出しながら、わたしは今日も作品と向かい合っています。

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