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  • 執筆者の写真momokei

Our sounds について

NY JCAT Gallery グループ展 "Beautiful" に出展した作品について解説します。

"Our sounds" 2020年 526 x 325 cm

製作の少し前、左利き用カリグラフィーペンなるものを発見したので、自由に文字らしき線を引いていました。 だいぶ前に、右利き用を取り寄せて普通のやりかたでカリグラフィーをやろうとしたらまったくうまくいかず、非常にがっかりしたことがあります。 道具を右利きの子どもにあげたところ、しょっぱなから上手いこと描いており、わたしは内心えらく腹が立ったものです笑。 基本に沿ってみて上手くいかなければ、自分のやり方を探すしかありません。

左手でらくに描けるやりかたを試行し発見し、それで線を引いていたら、いつまでもやれそうなぐらい楽しかったのです。 (ラク と たのしい、両方とも同じ漢字を使いますね。根底は同じということなんだろうなと思います。) ポジティブな感情や思いやりの気持ちを「シェアする」のが、人間という生き物ならではの美しさだと思います。それは言語の壁を越えて届きます。 コロナ禍の現在もきっと、世界中で「ありがとう」や思いやりの言葉が鳴り響いていて、それは地球を満たす美しい音楽であるに違いありません。 こういったことを表現したく、当作品の製作を行いました。 わたしは万年筆インクを塗り広げる技術を探し出しましたが、それ以前に、自由な線を引くということが子どもの頃からとても好きです。 カリグラフィーや近年のフォントなど様々な書体の研究を行ったところ、日本語の古いくずし仮名がもっとも神秘的に思えました。文字かどうかもあやうく(それでいて解読もでき)、美しいように感じられました。 カリグラフィーペンを左手で使うという点においても、縦書きは最もやりやすくふさわしいものです。 国宝級のくずし仮名のエッセンスを吸収しながら、自分のスタイルでなんべんも線を引きました。そこには、様々な言葉での「こんにちは」や「ありがとう」や「ほほえみ」といった、我々がシェアすべきと思うことがらを音符のようなかたちと混ぜ込みながら入れています。これらは溶け合っています。

既に自分がどこにどんな言葉を隠したのかも忘れてしまいましたが、もしあなたが運よくいずれかを発見できたら、それはとてもすごいことです。

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