
momokei
hazy flowers について

オンライン個展 "the night falls" 2020年製作(売約済)
家のすぐ近くに、数件の花屋さんがあります。それぞれに個性があり、ギフトや自分のささやかな楽しみのために長年お付き合いをさせていただいています。
花屋さんという場所では、鑑賞用に育てられた様々な草花と出会うことができます。
ある日、花屋さんのカウンターで談笑していたところ、花束を持った男性が入ってきました。
「よそのお店でこの花束を作ってもらったんだけど、なんだかとても古風なスタイルにされてしまったから、アレンジを入れてくれませんか?」
とのことでした。
その花束は、バラとかすみ草だけで作られていました。
わたしは、自分が子どもの頃に大切に思っていたことをないがしろにしないように気を付けています。
子どもの頃に人にあげる花束として花屋さんが作ってくれたのが、いつもバラとかすみ草のアレンジメントだったことを覚えています。確かにそういう時代でした。
かすみ草を花屋さんで見ていたらとても気になってきたので、かすみ草だけの花束を買ってしばらく家に飾ることにしました。
すると、かすみ草も甘い香りがあることを発見したのです!
この花がとても好きになり、線画でも何度も描きました。
"mollugo" の回でも書きましたが、わたしは小さなパーツが規則的に寄せ集まっている造形が好きみたいです。
かすみ草は、総じて雰囲気がやわらかい。
引き立て役としてではなく、かすみ草そのものの良さがあることをわたしは感じます。
今回の個展では夜空のバリエーションを描こうとしていて、雲まじりの空を描くにあたり、かすみ草のイメージを重ねました。
邦題は「霞んでいる花」。ここに描いたのは、空でもあり花でもある、境界線がないかもしれない儚いもの。
「以前から、momokei の描く花が好きだった」というお客様がこの絵をお迎えしてくださることになりました。
ありがとうございます。 使用画材は
万年筆インク
Diamine "Blue flame" , "Starlit sea" , "Blue pearl" , "Shimmering sea"
次亜塩素酸ナトリウム溶液