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  • 執筆者の写真momokei

cracks について

2019 年の初個展、ならびに NY JCAT Gallery グループ展 "Beautiful" に出展

"cracks" 2019 526 x 325 cm 550ドル

青が好き・青いインクが好きな ink artist momokei のアイキャッチシンボルとして、名刺や各SNSのカバーなどに活用しています。 世界のどこかの路地、小さい世界が集まったような大きな世界、といった神秘的なイメージを持っていただくことの多い作品ですが、もっともわたしの普段の暮らしに根付いて生まれている作品でもあります。そこを正直に書くことにしましょう。 「なにげなく見過ごしている日常の美」について強い興味があります。 初個展開催を決めた当時、作品のイメージソースを探しながら猛烈な勢いで家事をしていました。オムレツのためにがんがんたまごを割っていたところ、たまった殻のひびを見て 「これだ!!!!!」 と思いました。 しかし、たまごの殻は色が薄くて、茶色たまごでもひびがよく見えません。 試行錯誤した結果、料理に使ったたまごの殻を、薄皮をとって保管していくことにしました。(薄皮があると、その丈夫さが次の工程で邪魔をします)

殻の内側から筆で万年筆インクを塗って、画紙へメシァッと押しつぶすと、そこで細かいひびが生じます。ひびにインクが入り込んで、その線がはっきり見えるようになりました。

殻を押しつぶしてインクの青に染まるのは右手。 つぶれた殻を見ながら、えんえんと最細のペンで描き続けるのは左手。

結果、上のような図面に仕上がっていきました。 塗ったように見える面は、殻そのものの版です。濃淡があるのは、毎回インク濃度を変えて塗っていたことに起因します。

たまごの殻を何個分ためこんだかは忘れてしまいましたが、残っている素材はこんな感じです。

家庭のような小さな世界で起こる出来事や生まれたものは、規模の異なる壮大なものごとと通じています。例えば、意見の食い違いやそこから歩み寄って和解を得るやりかた、などなど・・・ なので、小さな世界で起こるものごとをないがしろにしてはならないし、そこにも必ず美しさは存在します。それが、これまでの人生経験で得たわたしの見解です。 使用画材: 万年筆インク(ナカバヤシ社 Jeans Ink "Clear navy" ) 紙

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